調製ローヤルゼリー
全国ローヤルゼリー公正取引協議会は、ローヤルゼリー製品を生ローヤルゼリー、乾燥ローヤルゼリー、調製ローヤルゼリーの3種類に分類し、それぞれ品質管理のために条件を設けています。3種類のうち、調製ローヤルゼリーとはどのような製品なのでしょうか。
その定義と存在意義などについて、簡単に説明していきましょう。
調製ローヤルゼリーは「加工品」
採取したローヤルゼリーをそのまま瓶詰めした生ローヤルゼリーや、生ローヤルゼリーを加熱やフリーズドライによって粉末にした乾燥ローヤルゼリーは、ローヤルゼリー「そのもの」とも言える製品です。これに対して調製ローヤルゼリーは、ローヤルゼリーを何らかの形で加工したものです。
実は食べにくいローヤルゼリー
生ローヤルゼリーには「味」という大きなデメリットがあります。同じミツバチ由来の食べ物ということもあり「ローヤルゼリーは甘い」と勘違いしている人もいるでしょうが、ローヤルゼリーにはほとんど甘みはなく、酸味の強い癖の味をしているのです。
お世辞にも「おいしい」と言えるようなものではありません。
乾燥ローヤルゼリーは味の癖については緩和されていますし、カプセルタイプならば味そのものがしなくなります。
それでも「おいしい」と言うほどのものではないのも確かです。
食べやすくすることが主眼
こうした問題を解決するために、調味料などによって食べやすく加工しているのが、調製ローヤルゼリーなのです。例えば砂糖などを入れることで、ローヤルゼリーの癖のある味を緩和し、比較的万人受けするような製品にするというわけです。
ただ、あまりにも混ぜものが多いと、ローヤルゼリーがほとんど含まれていないのに「ローヤルゼリー」の名前を冠した悪質な製品が市場に出回ってしまう可能性があります。
そうした事態を防止するために、全国ローヤルゼリー公正取引協議会では「ローヤルゼリーの含有量が全体重量の6分の1以上でなくてはならない」という条件を定めています。
固有成分であるデセン酸の含有率は、0.18%を下回らないことも条件となります。
この調製ローヤルゼリーの定義によって、ローヤルゼリーがほとんど含まれていない「名ばかりのローヤルゼリー製品」が市場に出回ってしまう可能性を、少しでも小さくしていこうという狙いがあるのです。
調製ローヤルゼリーの定義は広い
ただ、全国ローヤルゼリー公正取引協議会の定義を当てはめると、意外と多くの製品が調製ローヤルゼリーに含まれるのです。中には食べやすさとは違う意味での加工を行っているローヤルゼリー製品も存在しているのです。
錠剤化には欠かせない「つなぎ」
サプリメントにはカプセルタイプや粉末タイプの製品もありますが、多くは錠剤タイプです。ただ、粉末である乾燥ローヤルゼリーを錠剤化するためには「つなぎ」になるための添加物が必要になってきます。
この添加物を入れた段階で、乾燥ローヤルゼリーの定義から外れ、調製ローヤルゼリーのカテゴリーに入ってくるのです。
つまり、食べやすさに配慮しているわけでなくても、錠剤タイプのローヤルゼリーサプリは、すべて調製ローヤルゼリーだと考えてよいというわけです。
他の成分を加えた場合も同様
ローヤルゼリーサプリの中には、同じミツバチ由来のマヌカハニーやプロポリスなど、他の成分を加えることで相乗効果を狙っている製品もあります。これらもローヤルゼリーに別の成分が加えられているため、調製ローヤルゼリーのカテゴリーに入ってくるのです。
こちらも「食べやすさ」を重視したものとは言えません。
酵素分解も「生」「乾燥」の定義から外れる
ローヤルゼリーの主成分のひとつであるタンパク質は、摂取したものすべてが体内に吸収されるわけではありません。消化器内の酵素によってアミノ酸に分解されないと、分子サイズが大きすぎて吸収できないのです。
アミノ酸に分解しきれなかったタンパク質は吸収されず、そのまま体外に排出されてしまいます。
ローヤルゼリー製品の中には、タンパク質などの吸収率を少しでもアップさせるため、あらかじめ酵素分解している製品も存在しています。
こちらはローヤルゼリーの栄養素の吸収率をアップするための加工ではあるのですが、生ローヤルゼリーや乾燥ローヤルゼリーの定義からは外れているため、厳密には調製ローヤルゼリーのカテゴリーに入ります。
こちらも食べやすさを重視している製品ではありません。
このように、調製ローヤルゼリーの定義は広く適用されやすいので、さまざまな製品がこのカテゴリーに入ってくるというわけです。
まとめ-デセン酸の含有量には注意を
このように定義が広いため、全体の傾向についての説明が難しいのが調製ローヤルゼリーです。ただ、食べやすさを重視している製品の場合、固有成分であるデセン酸の含有量が最低0.18%である点は気がかりです。
調製ローヤルゼリーを摂取する場合、少しでもデセン酸の含有量が多い製品を選ぶようにするのがおすすめと言えます。