ローヤルゼリーの成分（アルギニン）

ローヤルゼリーにはさまざまなアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は人間の体内で生成できない必須アミノ酸と、体内での生成が可能な非必須アミノ酸があり、アルギニンは非必須アミノ酸に分類されています。
ただ、非必須アミノ酸といっても、アルギニンは子供や、体力が消耗している大人だと不足する可能性が高いため、必須アミノ酸に準ずるものとして取り扱われることもあります。

肌の保湿力を高める

肌から水分が蒸発してしまわないようにするため、表皮の最も上層にある角質層にはNMF(天然保湿因子)が含まれています。
NMFの含有量が減少すると角質のバリア効果が低下して水分が蒸発しやすくなり、乾燥肌の原因となってしまいます。
加齢によって肌がカサカサしやすくなるのは、NMFの生成量が減少しているからに他なりません。
美肌のためにはいかにしてNMFの生成量を増やすかが重要ですが、アルギニンはこのNMFの原料のひとつなのです。
アルギニンの摂取量を増やせばNMFの生成量が増加し、乾燥肌の防止が期待できるというわけです。
実際、アルギニンと尿素が配合されているクリームを肌に塗布したところ、尿素だけのものよりも肌荒れしにくくなったという臨床データもあります。

血流促進による精力アップ

アルギニンは体内で一酸化窒素を生成します。
日常生活においては大気汚染の原因のひとつというイメージの強い一酸化窒素ですが、体内においては血管を拡張させ、血流を促進させる重要な働きを持っています。
アルギニンといえば精力アップのイメージが強い人もいるでしょうが、実は精力アップはこの血流促進によってもたらされているのです。
ED(勃起不全)の原因のひとつは血行不良です。
勃起はペニスの海綿体に血液が多く流れ込むことによって起こりますが、血行が悪いと海綿体に流れ込む血液の量が減少し、勃起力が低下してしまうというわけです。
アルギニンによる血管拡張効果で血流を促進させれば、海綿体により多くの血液が流れ込むようになり、勃起力アップが期待できるというわけです。
実際、バイアグラやシアリスといったED治療薬は、ペニスの血流をアップさせることで勃起力を高める効果を持った薬剤なのです。
また、血流を促進させることで血栓ができることを防ぎ、脳梗塞や冠動脈疾患といった命に関わる病気の予防に役立つという見方もあります。

アンモニアを無毒化する

体内でエネルギー源となるのは糖質、脂質と、タンパク質を分解してできたアミノ酸です。
タンパク質が分解されてエネルギー源となるのは、主に筋肉トレーニングなど激しい運動をしたときです。
アミノ酸をエネルギー源として使用することの問題点のひとつは、体内でアンモニアを生成してしまうことです。
アンモニアは体にとって有害で、血中濃度が高くなりすぎると意識混濁や呼吸障害などを起こし、最悪の場合は命にかかわることすらあるのです。
このため、生成されたアンモニアは尿素回路によって無害な尿素に加工され、腎臓から排出される仕組みになっています。
アルギニンは、この尿素回路を動かすために必要な成分のひとつなのです。
アルギニンの摂取量を増やせば尿素回路がより活発に動くようになり、アンモニアの体外排出が促進されるというわけです。
ちなみにラットを使用した実験では、アルギニンを投与することで、血中のアンモニア濃度を下げられたことが分かっています。

成長ホルモンの分泌量アップ

成長ホルモンは成長期の子供の身長を伸ばすだけでなく、すでに成長止まった大人にとっても新陳代謝をアップさせる働きを持っています。
肌のターンオーバーを促進させたり、頭髪の成長力をアップさせたりする効果があるため、肌荒れや薄毛の人はいかにして成長ホルモンの効果を高めるかが重要になってきます。
アルギニンは脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌量を増やしてくれる働きがあるのです。
実際にアルギニンを1日当たり140ミリグラム投与したところ、投与しないグループと比較して血漿内の成長ホルモンの量が大幅に増えたという臨床データもあるのです。
もし子供の身長を高くしたいと思っているのでしたら、身長を伸ばす働きのある成長ホルモンは欠かせませんから、アルギニンの摂取は重要です。
子供にとってのアルギニンが、必須アミノ酸に準じる扱いとなっているのは、このことが関係しています。
また、ターンオーバーがうまく行われなくて肌があれてしまっている人や、頭髪の成長力低下が原因で起きる薄毛に悩んでいる人は、アルギニンの摂取が一定の効果をもたらしてくれる可能性があります。