ローヤルゼリーの飲み合わせ（漢方薬）
実はローヤルゼリーそのものも「王乳精」の別名を持つ漢方薬の一種です。最近では漢方薬を処方する医療機関も増えていますが、ローヤルゼリーとの併用が可能なのか気になるところです。
ローヤルゼリーの漢方薬の飲み合わせに問題はあるのか、問題があるとすればどのような点なのかについて、説明していきましょう。
そもそも漢方薬とはどのようなものなのか
漢方薬とは、自然界に存在しているさまざまな生薬を組み合わせて、薬効を高めているものです。もともとは中国から来たものですが、日本においては独自の発展を遂げているため、日本独自の漢方薬も存在しています。
この基礎となっているのが、中国の後漢時代にまとめられたとされている「神農本草経」という書物です。
この書物の中では、365種の薬物を上薬、中薬、下薬の3つに分けています。
上薬とは大量に服用したり、長期間にわたって服用したりしていても、体にとって害がないものです。
中薬は病気の治療に使用されるもので、使い方によって薬になることもあれば、毒になることもあるとしています。
下薬は毒と紙一重と言っていいもので、効果が高い代わりに病気の治療以外に使用されることがまずないものです。
「王乳精」ことローヤルゼリーは、この書物では上薬に分類されています。
中国において当時からローヤルゼリーの効果がある程度、知られていたというのは興味深いです。
漢方薬との併用については医療機関に聞くべし
では、漢方薬とローヤルゼリーとの併用についてはどうなのでしょうか。正直なところこればっかりは「服用している薬による」としか言いようがありません。
医療機関で処方されたり、ドラッグストアで購入したりするような薬剤についても、ローヤルゼリーとの併用に問題がないものもあれば、併用によって問題が起きる可能性のあるものも存在しています。
この点については、漢方薬も基本的に変わるところはありません。
もしあなたが服用している漢方薬が病院で処方されたものならば、処方箋を書いてくれた医療機関に併用してもいいかどうかを聞いてみるのがいいでしょう。
薬の素人があれこれ考えるよりも、プロに聞いた方が安心できるからです。
また、ドラッグストアで購入できる薬については、薬剤師に聞いてみるのがおすすめです。
最近は医薬品の販売条件が緩和され、薬剤師がいなくても店頭販売ができるものも存在していますが、薬についてもプロに聞くのが一番なので、薬剤師が常駐しているドラッグストアで併用してもいいかどうか聞いてみるのがおすすめです。
漢方薬のタンニンはローヤルゼリーと相性悪し
ただ、ローヤルゼリーとの併用で明らかに問題があるのは、タンニンが含まれている漢方薬との併用です。タンニンには一部のミネラルの吸収率を下げてしまうという問題点があるためです。
タンニンが漢方薬に使われるのは殺菌効果があるから
渋柿をはじめとするタンニンが含まれている食べ物を口の中に入れると、渋みを感じます。これは口の粘膜のタンパク質がタンニンによって変性してしまうことが原因です。
細菌やウイルスもタンパク質からなっていますので、タンニンによってタンパク質が変性してしまうと生命を維持することが難しくなってしまいます。
実際、広島大学などの研究によると、柿タンニンはさまざまなウイルスの働きを弱め、病気を防いでくれる働きがあることが分かっています。
こうした働きから、タンニンを含んでいる植物は薬用として使用されることが多く、これらを原料に作られる漢方薬にもタンニンが含まれていることが多くなっているのです。
タンニンは金属と結びつきやすいのが問題
ただ、タンニンには金属と結びつきやすいという性質があり、これがローヤルゼリーにとっては問題になるのです。ローヤルゼリーにはヘモグロビンの原料となる鉄、骨を丈夫にしてくれるカルシウムやマグネシウム、タンパク質の合成には欠かせない亜鉛、ナトリウム排出を助けて血圧を下げてくれるカリウムなど、さまざまなミネラルが含まれています。
漢方薬に含まれているタンニンがこれらのミネラルと結合することで、吸収されにくくなってしまうのです。
これによってローヤルゼリーの栄養素が十分に生かせなくなってしまうというわけで、タンニンが含まれている漢方薬については一緒に摂取するのはおすすめできないということになりそうです。
まとめ－タンニンが入っている漢方薬の併用は避けよう
西洋薬にさまざまな種類があるように、漢方薬にもさまざまな種類があり、ローヤルゼリーとの飲み合わせが良いかどうかは処方している医療機関に聞かないと分からないのが実際のところです。ある漢方薬は問題なくても、別の漢方薬だと問題が出る可能性があるからです。
ただ、タンニンが含まれている漢方薬については、ローヤルゼリーのミネラルの吸収率を下げてしまう可能性が高いので、併用は避けておくのが賢明でしょう。
