ローヤルゼリーは加熱してもいいのか
ローヤルゼリーは同じミツバチ由来の食品であるハチミツのような甘さはあまりなく、酸味が強くて刺激があるなど、お世辞にもおいしいと言えるような味ではありません。この味の問題を解決するために、別の料理に混ぜて摂取するという方法がありますが、その際に加熱が必要になるケースもあります。
ローヤルゼリーは加熱しても、含まれている栄養素が失われてしまうことはないのでしょうか。
ローヤルゼリーは加熱で栄養素が失われる
結論から書きましょう。ローヤルゼリーは加熱しない方がいいのです。
なぜなら、加熱によって変質したり、失われたりする栄養素が含まれているからなのです。
主成分のタンパク質は熱で変質しやすい
まず、ローヤルゼリーの主成分であるタンパク質が、熱によって変質しやすいというのが問題です。卵を加熱すると、液状の卵白が白い個体になることはほとんどの人がご存知でしょう。
肉をフライパンなどで焼くと、色が変わることも多くの人が知っているでしょう。
これらは、熱によってタンパク質が変質して起きていることなのです。
これと同じことが、ローヤルゼリーを加熱することで起きる可能性があるのです。
ローヤルゼリーに含まれているタンパク質の中には、アピシンと呼ばれるものがあります。
女王蜂の幼虫が1日で数倍の大きさに成長するのはこのタンパク質の力だとされており、私たちが摂取した場合でもコラーゲン生成促進などが期待できるとされています。
ところが、加熱によってタンパク質が変質すると、このアピシンの効果がなくなってしまう可能性があるのです。
これはローヤルゼリーを摂取するに当たって、大きなデメリットになるでしょう。
タミンB1は.加熱で失われる
ローヤルゼリーに含まれているそれ以外の栄養素でも、熱に弱いものは含まれています。一例を挙げれば、ビタミンB1は熱によって失われる可能性があるビタミンのひとつです。
ビタミンB1には糖質の代謝をアップさせたり、神経の機能を整えてくれたりする働きがあります。
糖質の代謝アップはダイエット効果につながる可能性がありますが、ローヤルゼリーを加熱することでこの効果が低下してしまう可能性があるということになりかねません。
ダイエット効果に期待してローヤルゼリーを摂取しようと考えている人は、注意が必要になります。
ホットドリンクに混ぜても栄養素が失われる
乾燥ローヤルゼリーの場合、ドリンクに混ぜて摂取している人もいるでしょうが、これも注意が必要になってきます。ホットドリンクに混ぜると、熱による影響を受けてしまう可能性があるのです。
結果としてタンパク質の変質が起きたり、一部のビタミンが失われてしまったりする可能性があります。
ただ、タンパク質の変質が起きるとされているのは、60度以上です。
ホットドリンクに混ぜる場合でもぬるま湯レベルならば、60度を下回っている可能性が高いでしょう。
このぐらいの温度ならばタンパク質の変質が起きる可能性がほとんどないため、問題はないと考えていいでしょう。
ローヤルゼリーをホットドリンクに混ぜて摂取するなら、温度をぬるま湯レベルにとどめておきましょう。
乾燥ローヤルゼリーは加熱型だと栄養面で不利
ローヤルゼリーにとって加熱がタブーであることは、食べる際だけでなく、乾燥ローヤルゼリーを選ぶ際にも関係してきます。乾燥ローヤルゼリー製品の中には、栄養素の一部が失われている可能性がある製品が存在しているためです。
業界団体である全国ローヤルゼリー公正取引協議会が定めた乾燥ローヤルゼリーの定義は、生ローヤルゼリーの水分を取り除いたもので、それ以外の添加物は認められていません。
ただ、乾燥ローヤルゼリーの製法には2種類あるのが問題です。
加熱によって水分を蒸発させる方法と、フリーズドライによって水分を取り除く方法です。
このうち、加熱によって作られた乾燥ローヤルゼリーは、熱によってタンパク質が変質したり、一部のビタミンが破壊されていたりして、栄養素が失われている可能性が高いのです。
乾燥ローヤルゼリーの製法では、加熱方式はフリーズドライに比べてコストがかからず、安価な製品を作りやすいというメリットがあります。
ただ、製造過程でローヤルゼリーの栄養素が失われていたら、かなり大きなデメリットになります。
乾燥ローヤルゼリーを選ぶ際には単に安いから購入するというのではなく、製法を調べておくことが必要になるというわけです。
まとめ-ローヤルゼリーはあまり加熱しないようにしよう
加熱によってタンパク質が変質したり、一部のビタミンが失われてしまったりする可能性があるため、ローヤルゼリーの加熱は原則的に推奨できません。ただ、タンパク質の変質が起きにくい60度未満の環境ならばほぼ問題はないと判断できますので、ローヤルゼリーをホットドリンクに混ぜるなら温度はアツアツではなく、ぬるま湯程度にとどめておいた方が良さそうです。