マヌカハニーとローヤルゼリーの違い
ミツバチの幼虫にとって特別な食べ物であるローヤルゼリーは、女性の更年期障害の症状緩和に役立つなど、以前からさまざまな効用が知られています。一方で「特別なハチミツ」であるマヌカハニーの効用も、最近になって広く知られるようになっています。
ローヤルゼリーとマヌカハニーは同じミツバチ由来の食べ物ですが、さまざまな違いがあります。
ローヤルゼリーとマヌカハニーにはどのような違いがあるのか、簡単にまとめてみました。
ローヤルゼリーとハチミツは原料が違う
そもそもローヤルゼリーとハチミツでは、原料そのものが違っています。ローヤルゼリーは花粉が主原料になっていますが、マヌカハニーはニュージーランドに自生しているマヌカ(日本名・ギョリュウバイ)の蜜が原料なのです。
ローヤルゼリーは女王蜂になるための餌
ミツバチの雌の幼虫は、卵から生まれた時点では女王蜂と働き蜂の区別はありません。生まれたときからローヤルゼリーを与えられるかどうかによって、女王蜂になるか働き蜂になるかが後天的に決まるのです。
このローヤルゼリー、ミツバチ由来ですが、マヌカハニーをはじめとするハチミツのような甘さはあまりありません。
それは、ハチミツが花の蜜を原料としているのに対し、ローヤルゼリーは花粉が主原料になっており、ハチミツほどの糖質が含まれていないためです。
成虫になって間がない若い働き蜂が花粉とハチミツを食べると、口内から分泌されるのがローヤルゼリーなのです。
マヌカハニーはあくまでも「特別なハチミツ」
では、マヌカハニーはどうでしょうか。実はマヌカハニーと一般的なハチミツの作られ方自体に、違いというほどのものはありません。
働き蜂が花の蜜を採取し、体内の酵素によって長持ちするように加工するというプロセスについては、何ら変わるところはありません。
にもかかわらず、なぜマヌカハニーには固有の効能があるのかというと、マヌカから蜜を採取しているためです。
マヌカそのものに殺菌効果があり、それがハチミツにも反映されているというわけです。
似たような例ではプロポリスがあり、どのような植物を材料に作製するかによって、抗癌作用が強くなったり、殺菌効果が強くなったり、アンチエイジング効果が大きくなったりするのです。
ローヤルゼリーとマヌカハニーの効能の違い
ローヤルゼリーとマヌカハニーの材料の違いは、含まれている栄養素や、効能の違いにつながってきます。ローヤルゼリーとマヌカハニーの効能には、どのような違いがあるのでしょうか。
ローヤルゼリーの主な効能は?
ローヤルゼリーの主成分は炭水化物とタンパク質ですが、糖分が多くないため甘さはあまりありません。効果については更年期障害の症状緩和や、アンチエイジングなどがあります。
更年期障害の症状緩和
更年期障害とは、加齢による卵巣の機能の衰えによって女性ホルモンの分泌量が減少し、心身に不具合を起こす疾患です。ローヤルゼリーにはデセン酸という固有成分が含まれていますが、デセン酸には女性ホルモンに似た働きをする効果があります。
ローヤルゼリーの摂取は、足りなくなった女性ホルモンを「補充」になるため、更年期障害の症状緩和が期待できます。
実際、ローヤルゼリーの摂取が更年期障害の症状緩和につながったという臨床例も報告されています。
アンチエイジング
唾液にはパロチンという、新陳代謝を高めてアンチエイジング効果を発揮するホルモンが含まれています。このホルモンは20代を境に分泌量が減少していくことが分かっており、老化の原因のひとつだとされています。
ローヤルゼリーには類パロチンという、パロチンに似た効果を持つ成分が含まれています。
ローヤルゼリーの類パロチンによって新陳代謝をアップさせれば、アンチエイジング効果が期待できるというわけです。
マヌカハニーは殺菌効果が強い
これに対して、マヌカハニーは基本的にハチミツであるため、成分の8割程度が糖分です。ただ、マヌカそのものの効果の影響で、ハチミツ自体が殺菌効果を持っているのです。
マヌカハニーに特有の成分としてMGO(メチルグリオキサール)があります。
MGOには殺菌効果があり、中でも胃に住み着いているピロリ菌に高い効果を発揮するとされています。
ピロリ菌は放置すると萎縮性胃炎を招き、胃癌の原因となってしまうこともあります。
マヌカハニーのMGOによってピロリ菌を退治することができれば、萎縮性胃炎や胃癌の防止につながるというわけです。
まとめ-併用してみてはいかが?
このように、ローヤルゼリーとマヌカハニーの効果は、同じミツバチ由来の食べ物でありながら大きく異なっています。効果を比較してみると、双方で被っているようなとことはありません。
最近ではローヤルゼリーを配合したマヌカハニーが販売されていますし、両方を一緒に摂取して、どちらの効能も体感してみるのがいいかもしれませんね。