はちみつとローヤルゼリーの違い
はちみつとローヤルゼリーは同じミツバチ由来の食べ物ということもあり、似たようなものだと勘違いしている人も多いのではないでしょうか。実際には色、味、原料、効能などあらゆる点で異なっており、ミツバチが作ったものだというぐらいしか共通点がないほど別物なのです。
はちみつとローヤルゼリーの主な違いについて、まとめてみました。
色が違う
どちらも黄色系統でドロドロしていると書くと、似たような色だと思うかもしれませんが、実際には一目見て判別できるレベルで違っています。それは、はちみつが透き通っているのに対し、ローヤルゼリーは白っぽく濁っているためです。
もうこの時点で、かなり別物といっていいでしょう。
味が違う
味についても、はちみつとローヤルゼリーでは大きく違っています。はちみつは独特の甘みを持っていますが、ローヤルゼリーにはほとんど甘みはありません。
生ローヤルゼリーは酸味が強くて生臭さがあり、はちみつの味とは似ても似つかないものです。
ローヤルゼリーが甘いと勘違いしている人が実際に食べてみると、衝撃的なのではないでしょうか。
原料が違う
なぜこのような色や味の違いが生じるのかというと、そもそもはちみつとローヤルゼリーは原料が異なっているためです。はちみつは花の蜜が原料で、ミツバチの体内の酵素によって長持ちするように加工されたものです。
これに対してローヤルゼリーの主原料は花粉です。
花粉とはちみつを食べたミツバチの体内で生成されていますが、詳細な製法についてはまだ不明点があります。
花の蜜は無色透明なので、はちみつは透き通った色になります。
また、ローヤルゼリーの淡黄色は、花粉由来のものだと考えれば、分かりやすいのではないでしょうか。
作るミツバチが違う
はちみつもローヤルゼリーも、働き蜂によって作られているという点は共通しています。ただ、どのような働き蜂が作っているかという点では、微妙に異なっています。
はちみつは、基本的にすべての働き蜂が作ることができます。
これに対して、ローヤルゼリーは成虫になって間がない、若い働き蜂しか作ることはできません。
ただ、ローヤルゼリーはすべてのミツバチが食べるわけではありませんので、作る量自体が少なくても問題にはなりません。
作られる目的が違う
はちみつは、すべてのミツバチの保存食として作られています。花が少ない冬場は蜜を集めるのが難しいため、餌を蓄えておく必要があり、その役目を担っているというわけです。
これに対してローヤルゼリーは、女王蜂の幼虫専用の食べ物です。
卵から生まれた段階では、女王蜂と働き蜂の幼虫には全く違いはありませんが、ローヤルゼリーを食べた個体は女王蜂になり、食べなかった個体は働き蜂になるのです。
実際、巣から女王蜂がいなくなるようなアクシデントが起きたときには、それまで働き蜂の幼虫になる予定だった幼虫にローヤルゼリーが与えられ、女王蜂になることが分かっています。
含まれている栄養素が違う
はちみつは含有成分の8割が糖分なので、甘い味になっているのです。これに対してローヤルゼリーは、炭水化物は全体の4割強しか含まれていません。
逆に、タンパク質ははちみつにはあまり含まれていませんが、ローヤルゼリーは全体の4割弱を占めています。
はちみつとローヤルゼリーの味や色の違いは、こうした含有成分の差も影響しているのです。
ちなみにカロリーははちみつが100グラム当たり294キロカロリーですが、ローヤルゼリーは70キロカロリー程度で、約4分の1になっています。
効能が違う
はちみつは含まれている糖分が多いこともあり、滋養強壮効果があります。含まれている糖分が吸収率の高いブドウ糖や果糖であるため、肉体疲労時のカロリー補給に最適です。
これに加えて、はちみつは保存性を高めるための殺菌効果があり、炎症によるのどの痛みなどを和らげてくれることが期待できます。
一方、ローヤルゼリーは体内で生成することのできない必須アミノ酸9種類をすべて含むほか、骨の生成に必要なカルシウム、マグネシウム、リンを多く含んでおり、体作りには欠かせません。
固有成分であるデセン酸は女性ホルモンに似た働きがあるため、女性ホルモンの分泌量不足によって引き起こされる更年期障害の症状緩和が期待できます。
新陳代謝を盛んにしてくれるパロチンというホルモンに似た成分も含まれていますので、アンチエイジング効果も期待できます。
結論-ミツバチ由来であるというのが誤解の元
このように、はちみつとローヤルゼリーは全くと言っていいほど共通点はありません。にもかかわらず、なぜ「似たようなもの」という誤ったイメージを持つ人が多いのでしょうか。
それは、どちらもミツバチ由来の食品であるというイメージが強すぎるためではないでしょうか。
同じミツバチ由来の製品であるという先入観は、はちみつとローヤルゼリーに対する誤解を生む原因になっている可能性があるので、捨てた方が無難かもしれませんね。