ローヤルゼリーの成分(ナイアシン)
ナイアシンは別名をビタミンB3ともいい、ローヤルゼリーに含まれている水溶性ビタミンのひとつでもあります。ナイアシンの働きと人間の体に与える影響、ローヤルゼリーで摂取することで期待できるメリットなどについて、説明していきましょう。
さまざまな働きを持つナイアシン
ナイアシンの働きは糖質と脂質、タンパク質の代謝をアップさせることです。それぞれを個別に代謝アップさせるビタミンは他にもありますが、3種類すべての代謝を同時にアップさせることができるのはナイアシンだけなのです。
体内ではNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)となり、さまざまな酵素の働きを助ける補酵素として働いてくれます。
この結果として、以下のような効果をもたらしてくれるのです。
皮膚や粘膜を健康に保つ
米生物工学情報センターのデータベースには、中高年にナイアシンを含む食べ物5グラムを3週間にわたって摂取させたところ、成長ホルモンの分泌が促進されたという臨床データが収録されています。成長ホルモンは新陳代謝をアップさせる働きがあり、これによって皮膚や粘膜を健康な状態に保つことができるのです。
ナイアシンが不足すると、ペラグラという皮膚や粘膜の炎症につながってしまいます。
二日酔いを予防する
アルコールは肝臓でまずアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは体にとって有害であるため、そこからさらに酢酸など無害な物質に分解されます。
アルコールの摂取量が多いと、アセトアルデヒドの分解が間に合わずに体内に回り、二日酔いの原因となってしまいます。
ナイアシンから生成されるNADは、アセトアルデヒドを酢酸に分解する際の補酵素として働いてくれるのです。
ナイアシンを摂取してNADを増やせば、アセトアルデヒドが分解されやすくなり、二日酔い予防につながるのです。
血行促進
ナイアシンには末梢血管を拡張させる働きがあり、血行促進につながってくれます。血行悪化による冷えや肩こりなどに悩んでいる人にとっては、積極的に摂取すべき栄養素だといえます。
ただ、1日当たり100ミリグラムを超える量を摂取すると血管拡張効果が強くなりすぎ、ナイアシンフラッシュという副作用を引き起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。
動脈硬化の予防
血中のLDLコレステロール値が高いと動脈硬化の原因となり、進行すると脳梗塞や冠状動脈疾患を引き起こすなど命にかかわるケースも起きかねません。ナイアシンは血中のLDLコレステロール値を下げ、HDLコレステロールを上げてくれる効果があり、動脈硬化の予防効果が期待できます。
米生物工学情報センターのデータベースには、冠状動脈疾患の患者にナイアシンを3年にわたって投与したところ、血中のLDLコレステロール値が下がり、HDLコレステロール値が上がったという臨床データも収録されています。
この結果、冠状動脈の閉塞が改善されていることも分かっています。
アルツハイマー病の予防
米生物工学情報センターのデータベースには、6000人以上の高齢者のナイアシン摂取量を調査したところ、摂取量が多いほどアルツハイマー病にかかりにくかったというデータが収録されています。これは、ナイアシンがアルツハイマー病の予防に効果があるからではないかとみられており、さらなる研究が進められています。
関節炎の症状改善
米生物工学情報センターのデータベースには、骨関節炎の患者にナイアシンを3カ月にわたって摂取させたところ、3割近くが改善したという臨床データが収録されています。体内で炎症が起きているときには赤血球沈降速度が速くなりますが、ナイアシンの摂取によって赤血球沈降速度が2割程度低下することも分かっています。
この臨床データから、ナイアシンには関節炎の症状を改善する効果があるとされています。
ローヤルゼリーで摂取するメリットは?
では、ナイアシンをローヤルゼリーで摂取することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。まず、人間の体は基本的にタンパク質でできています。
皮膚や粘膜についてもその例外ではなく、新陳代謝をアップさせるためにはタンパク質の原料であるアミノ酸を十分に摂取することが必要です。
ローヤルゼリーには人間の体内で生成できない9種類の必須アミノ酸をはじめ、多種多様なアミノ酸が含まれていますので、タンパク質の生成に役立ちます。
つまり、アミノ酸を同時に摂取することで、ナイアシンの効果を高めることが期待できるのです。
また、女性ホルモンの分泌量減少に伴う更年期障害は、血行不良の原因ともなります。
ローヤルゼリーの固有成分であるデセン酸は女性ホルモンに似た働きを持っているため、更年期障害の症状を和らげ、血行不良を改善してくれるとされています。
一緒にナイアシンを摂取することで血管拡張効果が得られ、さらなる血行促進によって冷え性や肩こり対策が期待できるというわけです。
ナイアシンを摂取するならば、他の成分による相乗効果が期待できるローヤルゼリーは、おすすめできる食べ物のひとつといえそうです。