ローヤルゼリーの成分(鉄)
鉄はミネラルの中でも比較的よく知られている栄養素で、ローヤルゼリーにも含まれています。鉄の役割については「貧血防止に必要」ということを知っている人も多いでしょうが、改めてその働きについて説明するとともに、ローヤルゼリーで鉄を摂取するメリットについても触れていきます。
鉄が貧血防止に必要な理由とは?
鉄が貧血防止に必要だとされているのは、赤血球内のヘモグロビンの原料であるためです。なぜ鉄不足によって貧血が起きるのか
赤血球は肺で取り入れられた酸素を体のすみずみまで運ぶ働きを持っていますが、この酸素の運搬を担当しているのがヘモグロビンなのです。ヘモグロビンは肺の中で酸素と結合して体のあちこちに酸素を運搬し、細胞にこの酸素を渡しているのです。
鉄の摂取量が不足していると、原料がないためヘモグロビンの生成量が減少します。
このため、赤血球内のヘモグロビンが減って酸素の運搬量が減少してしまいます。
これを鉄欠乏性貧血といいます。
ちなみに、胃潰瘍など体のどこかで慢性的な出血がある場合もヘモグロビンが恒常的に失われているため、似たような症状になることがあります。
貧血改善の大きなメリット
鉄不足が理由で貧血になっている場合、対策は難しくありません。足りない鉄を何らかの方法で補うようにすればいいのです。
鉄分の摂取量が十分ならば、ヘモグロビンの生成量が増加し、赤血球内のヘモグロビンの量が増えて、酸素の運搬量が増加してくれるというわけです。
体を動かすためには酸素が必要ですから、これによって体が疲労しにくくなってくれます。
米生物工学情報センターのデータベースには、貧血の青少年に鉄分を積極的に摂取させたところ、血中の乳酸値が下がったという臨床データが収録されています。
乳酸が疲労の原因であるかどうかは異論も多いですが、疲労時には必ず血中の乳酸値が増加するため、鉄分による貧血改善が疲労回復につながっていることは間違いないと言えるでしょう。
ローヤルゼリーで鉄を摂取するメリットは?
鉄が含まれている食品が多いですが、あえてローヤルゼリーで摂取するメリットが存在しています。鉄分摂取だけでは貧血対策としては不十分で、それを補うための栄養素が含まれていることが、そのメリットだと言えます。
鉄だけでは不十分な貧血対策
意外に思うかもしれませんが、ヘモグロビンはタンパク質の一種です。体内でのタンパク質生成には、亜鉛が欠かせません。
鉄の摂取量が十分であっても、亜鉛の摂取量が不足していればタンパク質の生成が促進されないため、ヘモグロビンが足りなくなってしまうことがあります。
実際、鉄欠乏性貧血の原因の多くは、亜鉛不足によるものです。
また、鉄はそのままではヘモグロビンの原料に使えないので、セルロプラスミンというタンパク質によって酸化させる必要があります。
このセルロプラスミンの原料のひとつは銅です。
銅が不足しているとセルロプラスミンの生成量が減り、鉄が有効活用されなくなります。
この場合も、鉄の摂取量が十分であるにもかかわらず、貧血になる可能性があります。
鉄欠乏性貧血対策に必要な栄養素は十分
ローヤルゼリーには、鉄欠乏性貧血に必要な栄養素が十分に含まれており、1つの食品だけですべてをカバーできるのがメリットです。まず、亜鉛が含まれていますのでタンパク質の生成量低下につながることが考えにくく、ヘモグロビン生成の障害も取り除かれています。
また、銅が含まれていますのでセルロプラスミンも十分に生成され、鉄を効率的に使うことも期待できます。
付け加えると、ローヤルゼリーには少量ながらもビタミンCが含まれています。
鉄は吸収率が高くないという問題点がありますが、ビタミンCは鉄の吸収率を上げてくれる働きがあるため、ローヤルゼリーの鉄の有効活用が期待できるのです。
悪性貧血対策もバッチリ
では、上述の栄養素がすべてそろっていれば貧血にならないのかというと、そうではありません。細胞分裂に必要な葉酸とビタミンB12の摂取量が不足していると、骨髄での赤血球生成量が低下します。
この結果、ヘモグロビンが十分に生成されていても、赤血球そのものが足りないという「悪性貧血」になってしまいます。
ローヤルゼリーには、葉酸とビタミンB12もちゃんと含まれています。
これならば鉄欠乏性貧血だけではなく、悪性貧血対策にも効果が期待でき、鉄分を有効利用することができるでしょう。
まとめ-貧血対策にローヤルゼリーを
鉄分は貧血対策には欠かせない栄養素ですが、上述のようにそれだけでは不十分です。ローヤルゼリーには鉄はもちろん、それ以外の貧血対策に必要な栄養素がちゃんと含まれています。
消化器内の慢性的な出血が原因の場合は他の対策も必要となりますが、純粋に栄養不足で貧血になっている場合、ローヤルゼリーの摂取は有効な対策になると言えるのではないでしょうか。