ローヤルゼリーの成分(葉酸)
ローヤルゼリーに含まれているビタミンは、そのすべてが水溶性で、多くはビタミンB群に属しています。葉酸もビタミンB群のひとつで、妊活には欠かせないビタミンとして、厚生労働省も積極的な摂取を推奨しています。
なぜ葉酸が妊婦にとって必要な栄養素なのでしょうか。
また、ローヤルゼリーで葉酸を摂取することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
葉酸は赤ちゃんの成長に欠かせない
なぜ妊婦にとって葉酸が必要なのかというと、葉酸はDNAの生成に関係しており、不足していると細胞分裂がうまくいかなくなってしまうからです。赤ちゃんは細胞分裂を繰り返して人間になる
妊活中の人ならご存知でしょうが、赤ちゃんは最初、受精卵というひとつの細胞なのです。細胞分裂を繰り返しながらいろいろな器官が作られていき、人間の形になっていくのです。
ある時期には脳をはじめとする中枢神経系が作られ、別の時期には消化器や呼吸器、循環器が作られていくといった感じです。
もし何らかの理由で細胞分裂がうまくいかなくなると、その器官がちゃんと作られなくなってしまいます。
これによって、先天性異常の危険性が高くなってしまうというわけです。
葉酸はDNA生成に必要
細胞分裂を行う際にはまず、遺伝子が複製されますが、このときに遺伝子の材料となるDNA(デオキシリボ核酸)が必要となります。もし何らかの理由でDNAが不足していると、遺伝子の複製がうまくいかず、細胞分裂が阻害されてしまいます。
特に赤ちゃんの場合、DNAが不足して細胞分裂がうまく行われなくなると、器官の生成に悪影響を与えてしまいます。
妊婦にとって葉酸が必要だとされているのは、赤ちゃんの細胞分裂をスムーズに行わせることで、先天性異常を予防するためなのです。
葉酸の効果は実証されている
葉酸が特に重要だとされているのは、中枢神経系が作られる妊娠初期です。この時期に葉酸が不足していると中枢神経系の生成に悪影響を与え、二分脊椎や無脳症といった神経管閉鎖障害の危険性が高まってしまうとされています。
実際、米生物工学情報センターのデータベースには、神経管閉鎖障害の赤ちゃんを産んだ経験のある女性に1日当たり4ミリグラムの葉酸を投与したところ、予防効果が見られたという臨床データが収録されています。
このため、葉酸は神経管閉鎖障害の危険性を下げてくれるとして、厚労省は1日当たり400マイクログラムの葉酸をサプリメントで摂取することを推奨しています。
もちろん、ローヤルゼリーに含まれている葉酸でも同様の効果があるため、妊婦にとって役立ちそうです。
ローヤルゼリーで摂取するメリットは?
では、葉酸をローヤルゼリーで摂取することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なものとしては、赤ちゃんの体を作るために欠かせないアミノ酸を一緒に摂取できることと、ビタミンB12と一緒に摂取することで貧血予防に役立ってくれることです。
必須アミノ酸がすべて含まれている
ローヤルゼリーの主成分のひとつは、多種多様なアミノ酸です。アミノ酸は体内に入るとタンパク質の原料となり、赤ちゃんの血や肉となってくれます。
そのアミノ酸の中でも、人間の体内で生成できないものが9種類あり、これらは必須アミノ酸と呼ばれて重要視されています。
ローヤルゼリーには、この必須アミノ酸がすべて含まれているのです。
つまり、葉酸の摂取によって細胞分裂を活発にすると同時に、赤ちゃんの体を作るアミノ酸も一緒に摂取することで、赤ちゃんの成長促進が期待できるのです。
貧血予防にも役立つ
妊娠後期になると、今度は貧血になりやすくなるという問題が生じます。これは、妊娠後期になると血液の量が増えるにもかかわらず、赤血球などは比例して増えてくれるわけではないため、血液が薄まって貧血を招くやすくなるのです。
赤血球は骨髄での細胞分裂によって作られるため、葉酸によって細胞分裂を盛んにすれば貧血防止につながるのですが、それだけでは不完全です。
赤血球の生成を促すためには、葉酸同様にDNAの生成に必要なビタミンB12も欠かせないのです。
ローヤルゼリーにはこのビタミンB12も含まれているため、貧血予防の相乗効果が望めます。
ちなみに、ローヤルゼリーには赤血球生成に必要なヘモグロビンの原料となる鉄や、ヘモグロビン生成に必要な亜鉛も含まれていますので、こちらも貧血防止に役立ちそうです。
ローヤルゼリーの葉酸の「落とし穴」
ただ、ローヤルゼリーの葉酸にもちょっとした欠点があります。それは、吸収率が必ずしも高くないことです。
葉酸にはモノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型の2種類があり、ポリグルタミン酸型の葉酸は体内でモノグルタミン酸型に変換されてから吸収されるため、モノグルタミン酸型と比べると吸収率が悪くなるのです。
ローヤルゼリーに含まれている葉酸はポリグルタミン酸であるため、吸収率という点ではベストとは言えないことは知っておいた方がいいでしょう。