生ローヤルゼリーの保存方法
ローヤルゼリーの中でも、女王蜂の幼虫が住んでいる王台から取り出したものをそのまま提供している生ローヤルゼリーは、保存に気を使わなければならないことで知られています。生ローヤルゼリーを長持ちさせるためにはどのように保存したらよいのか、なぜ保存方法によって生ローヤルゼリーの鮮度が大きく変わってしまうのかなどについて、説明していきましょう。
そもそも生ローヤルゼリーの定義は?
生ローヤルゼリーとして販売してよいものについては、業界団体である全国ローヤルゼリー公正取引協議会によって定められています。同協議会のサイトによると、王台に溜められてから72時間以内に採取し、そのまま瓶詰めしたものを生ローヤルゼリーだと定義しています。
この定義から分かるように、基本的に防腐剤や酸化防止剤などの食品添加物を加えることは認められていないのです。
もしそうした添加物を加えた場合、生ローヤルゼリーではなく調整ローヤルゼリーになるからです。
つまり、生ローヤルゼリーは王台から採取されたあと、基本的に防腐処理が行われていないということになります。
刺し身を常温で放置しておくとすぐに劣化してしまうのと基本的に同じことで、保存に気を使う必要があるのは、製法上仕方がないと言えます。
生ローヤルゼリーはどのように保存するのか
まず、ローヤルゼリーを保管するうえで、注意しなくてはならないのは熱、紫外線、酸素に触れさせないことです(理由については後述します)。生ローヤルゼリーはその製法上、基本的に通販で入手することになります。
販売元で品質劣化を防ぐため、冷凍保存しておくためです。
このため、自宅に製品が到着した時点では凍結している状態になっていることが多いです。
このため、開封後はできるだけ温度の低いところに置いておきたいところですが、瓶のまま冷凍庫に入れると中でローヤルゼリーが固まって使いづらくなります。
このため、冷蔵庫の中での比較的温度が低い、チルドルームに置いておくのがおすすめです。
チルドルームの中ならば温度の問題はもちろん、光に触れることもほとんどありません。
摂取する際にはチルドルームから出したあと、できるだけ早く元通りにしまうと品質が劣化しにくくなります。
小分けにされている製品については、必要な分だけをチルドルームに入れ、残りは冷凍庫に入れておくのもいいでしょう。
ちなみに生ローヤルゼリーの賞味期限は冷凍庫で保管した場合が2年、冷蔵庫で保管すると3カ月から半年といわれています。
なぜ熱・紫外線・酸素がローヤルゼリーに良くないのか
では、なぜ熱と紫外線、酸素がローヤルゼリーにとって良くないのでしょうか。それは、いずれもローヤルゼリーの主成分のひとつであるタンパク質に悪影響を与え、品質低下につながるためです。
タンパク質は低い温度で変質するものもある
卵白に熱を加えると液状から白い個体になるように、タンパク質に熱を加えると変質します。タンパク質の熱による変質は60度前後で起きるとされていますが、実際にはそれよりも低い温度で起きるケースがあります。
一例を挙げれば膵臓で生成されるインスリンというホルモンはタンパク質の一種なのですが、40度前後で変質してしまうため、インスリン製剤は低温での保管が義務付けられているのです。
夏場などは常温で保管していると、瓶の内部が40度を超えてしまう可能性もあります。
これではローヤルゼリーの品質が劣化する可能性が否定できません。
紫外線はタンパク質にとって大敵
日差しの強い夏場にサンスクリーンを塗布しないで外出すると、肌がヒリヒリしまいます。これは、紫外線によってタンパク質の変質が起き、肌に悪影響を与えているためです。
タンパク質が変質は老化の原因のひとつでもあるため、アンチエイジングにおいて日焼け対策は重要になっているのです。
これと同じことが、ローヤルゼリーに含まれているタンパク質にも起きる可能性があるのです。
生ローヤルゼリーが色付きの瓶に入っているのは紫外線対策ですが、紫外線から可能な限り切り離すためには冷蔵庫のチルドルームのような光が入りにくい空間が最適だというわけです。
冷蔵庫は酸化防止にも役立つ
タンパク質は体内の活性酸素によって酸化し、老化の原因となることからも分かるように、ローヤルゼリーに含まれているタンパク質が外気に触れて酸化すことも品質劣化の原因となります。ローヤルゼリーのタンパク質を酸化させないためには、瓶の蓋を開ける時間を可能な限り短くし、きちんと蓋を閉めておく必要があります。
では、チルドルームで保管しておくことがなぜ酸化防止につながるのでしょうか。
それは、温度を低くしておくことで、化学反応の速度をダウンさせることができるからです。
酸化も化学反応の一種なので、低温によって酸化が進みにくくなるというわけです。
まとめ-生ローヤルゼリーは「生物」扱いで
このように生ローヤルゼリーはタンパク質の変質に気をつける必要があるため、冷蔵庫のチルドルームでの保管が推奨されているのです。刺し身や生野菜のような「生物」として扱うべき製品だと言ってもいいかもしれませんね。