吸収率の高いローヤルゼリーを選ぶ
ローヤルゼリーは固有成分であるデセン酸をはじめ、各種アミノ酸やミネラル、ビタミンB群などさまざまな栄養素が含まれています。ただ、そうした栄養素が体の役に立つのは、消化器から吸収された場合の話です。
吸収率が悪いと、せっかくの豊富な栄養素を十分に生かし切ることができません。
そのためには、吸収率の高いローヤルゼリーを選ぶ必要がありますが、どのような製品だと栄養素の吸収率が高くなってくれるのでしょうか。
タンパク質の吸収力をアップさせる酵素分解
まず、ローヤルゼリーの主成分であるタンパク質の吸収力をアップさせてくれる製品としては、酵素分解ローヤルゼリーが挙げられます。なぜ酵素分解によってタンパク質の吸収力が高くなるのか、そのメカニズムについて説明していきましょう。
すべてのタンパク質が吸収できるわけではない
まず知っておいてほしいのは、タンパク質を摂取しても、すべて吸収できるわけではないということです。タンパク質はそのままでは分子サイズが大きすぎて、腸から吸収することができないためです。
このため、タンパク質は胃から分泌されるペプシンという酵素によってペプトンという物質に分解され、膵臓から分泌されるトリプシンなどによってさらに分子サイズの小さいペプチドに分解されます。
そして、腸から分泌されるアミノペプチダーゼNという酵素によってアミノ酸に分解され、このサイズまで小さくなってから吸収されるのです。
体を作るタンパク質は、この吸収されたアミノ酸を元にして作られているのです。
問題は、酵素の力だけではすべてのタンパク質をアミノ酸まで分解しきれないということです。
分解しきれなかったものは分子サイズが大きすぎて腸から吸収できないので、そのまま排出されるしかありません。
これではせっかくのローヤルゼリーの栄養素を、十分に生かし切ることができません。
タンパク質を前もって酵素分解しておく
酵素分解ローヤルゼリーは、この問題点をある程度、解決しているのです。ローヤルゼリーに含まれているタンパク質を、あらかじめ酵素分解しておくのです。
これによって摂取後に消化酵素によって分解されやすくなり、吸収率が高まってくれるというわけです。
付け加えると、ローヤルゼリーに含まれているタンパク質のうち、アピシンと呼ばれるものは体内のヒスタミン分泌量を増やし、アレルギー症状を引き起こす原因となるケースがあります。
酵素分解ローヤルゼリーは、このアピシンも分解してくれるので、アレルギー症状の発症を抑えることが期待できるのです。
実際、近畿大学などの研究では、酵素分解ローヤルゼリーを摂取した場合、酵素分解していないものよりもヒスタミンの生成量が大幅に減少することが分かっています。
ローヤルゼリーの栄養素の吸収率を高めるうえ、アレルギー症状の抑制も期待できるのですから、一石二鳥といったところです。
ミネラルの吸収力を高めるビタミンC
ローヤルゼリーに含まれている成分の中でも、吸収率が比較的低いとされているのが鉄や亜鉛などのミネラルです。これらミネラルの吸収率をアップさせてくれるのが、ビタミンCです。
意外と低い鉄や亜鉛の吸収率
まず、鉄については動物性のヘム鉄と、植物性の非ヘム鉄がありますが、吸収率が異なっています。ヘム鉄の吸収率は15~25%、非ヘム鉄が5%前後だとされています。
いずれにしても摂取した鉄の多くは吸収されないまま体外に出てしまうのです。
亜鉛についても同様で、吸収できるのは全体の3割程度だとされています。
鉄は赤血球内のヘモグロビンの原料で、摂取不足だと貧血の原因となります。
亜鉛はタンパク質の合成に欠かせないだけでなく、活性酸素を分解してくれる酵素・SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)の原料のひとつでもあります。
いずれのミネラルも、吸収率をアップさせたいところです。
ビタミンC配合で吸収率アップ!
これらのミネラルの吸収率を高めてくれるのが、ビタミンCなのです。ただ、ローヤルゼリーには多様なビタミンB群が含まれていますが、ビタミンCはほとんど含まれていないという問題があります。
この問題を解消するために、ビタミンCを配合しているローヤルゼリー製品があるのです。
ローヤルゼリーにビタミンCを配合することによって鉄や亜鉛の吸収率をアップさせ、貧血予防やアンチエイジング効果に期待するというわけです。
付け加えると、ローヤルゼリーにはコラーゲンの原料となるアミノ酸が含まれていますが、ビタミンCにはコラーゲンの生成を促す作用があるため、美肌効果も見込めます。
まとめ-調整ローヤルゼリーにもメリットはある
ローヤルゼリー製品の中でも調整ローヤルゼリーは純度100%ではないため、生ローヤルゼリーや乾燥ローヤルゼリーと比べるとやや落ちるイメージがあります。ただ、今回紹介した酵素分解ローヤルゼリーも、ビタミンC配合製品も、調整ローヤルゼリーに分類されます。
ローヤルゼリーを選ぶ際には純度だけでなく、含まれている栄養素の吸収率についても考えるべきかもしれませんね。