プロポリスとローヤルゼリーの違い
プロポリスとローヤルゼリーは、ともにミツバチ由来の成分として知られています。ただ、この2つには効能をはじめ、同じミツバチ由来とは思えないほど、さまざまな違いがあります。
プロポリスとローヤルゼリーにはどのような違いがあるか、まとめてみました。
そもそも「食べ物」かどうかが違う
まず、ローヤルゼリーは最初から食べ物として作られていますが、プロポリスはそもそも食べ物として作られたものではないという点からして、大きく違っています。女王蜂の食べ物であるローヤルゼリー
ローヤルゼリーは、女王蜂を育てるための特別な食べ物として作られています。ミツバチの雌の幼虫は、卵から生まれた時点ではすべて同じなのですが、ローヤルゼリーを食べた個体は女王蜂になり、食べなかった個体は働き蜂になるというふうに、女王蜂と働き蜂の差は食べ物によって後天的に決まるのです。
ローヤルゼリーの主原料は花粉で、花粉とハチミツを食べた働き蜂の口からローヤルゼリーが分泌され、女王蜂になる幼虫が住んでいる「王台」という個室に蓄えられるようになっています。
ハチミツやプロポリスがすべての働き蜂が作ることができるのに対し、ローヤルゼリーは成虫になったばかりの若い働き蜂でなければ作ることができないという違いもあります。
それだけ特別な物質だというわけです。
プロポリスは巣の構成成分
これに対して、プロポリスはミツバチの巣を構成する成分のひとつで、そもそも食べ物として作られたものではありません。ミツバチの巣は細菌だらけの屋外にあるにもかかわらず、中に住んでいる幼虫が病気になったり、巣そのものが腐ってしまったりするようなことがあまりありません。
これは巣に含まれているプロポリスの殺菌効果によるもので、ミツバチの巣にとっては欠かせない物質であると言っていいでしょう。
ちなみに、プロポリスを生成するのはセイヨウミツバチのみで、ニホンミツバチは生成しないとされています。
ローヤルゼリーの国産品が少ないのはあくまでもコスト面が理由であるのに対し、プロポリスの国産品が少ない理由はミツバチの種類による差であるという点も、違いと言っていいでしょう。
効能も大きく違っている
ローヤルゼリーとプロポリスでは「食べ物」として作られているかどうかという大きな違いがあるため、効果の方も同じミツバチ由来とは思えないほど異なっています。ローヤルゼリーの効能は?
ローヤルゼリーにはさまざまな効能がありますが、主なものとしては固有成分・デセン酸による更年期障害の症状緩和と、類パロチンによるアンチエイジング効果が挙げられます。更年期障害の症状緩和
更年期障害とは、加齢によって卵巣の機能が衰え、女性ホルモンの分泌量が減少することが原因で、心身にさまざまな不具合が起きるものです。ローヤルゼリーに含まれているデセン酸は、女性ホルモンに似た働きを持っています。
デセン酸の摂取によって女性ホルモンを「増やす」ことができれば、更年期障害の症状緩和につながってくれるというわけです。
ローヤルゼリーにはさまざまな価格の製品がありますが、一般的に高価なものほどデセン酸の含有率が高いとされています。
アンチエイジング効果
唾液にはパロチンというホルモンが含まれており、新陳代謝を活発にするなどアンチエイジング効果を持っています。問題はパロチンが20代を境に分泌量が減少することで、これが老化の原因のひとつとなっています。
ローヤルゼリーにはこのパロチンに似た働きをもつ「類パロチン」が含まれており、パロチンの減少による老化を抑えることが期待できるというわけです。
プロポリスの効能は?
プロポリスには殺菌効果だけではなく、癌細胞の増殖を防いでくれる効果があるのも分かっています。殺菌効果
プロポリスの殺菌効果は強力で、黄色ブドウ球菌など細菌の種類によっては抗生物質を上回る効果を発揮することもあります。また、抗生物質には体内の善玉菌まで退治してしまうという問題がありますが、プロポリスは善玉菌を温存してくれるという特徴もあります。
プロポリスを摂取することで、腸内の悪玉菌だけを退治することができ、腸内環境の整備につながることが期待できるのです。
抗癌作用
プロポリスに含まれている成分のうち、アルテピリンCをはじめとする桂皮酸誘導体には、癌細胞の増殖を抑える効果があることが分かっています。実験によると、癌細胞のDNA生成を抑えることで、細胞を自然死させる効果だとされています。
プロポリスは生産国によって含まれている成分に微妙な違いがあり、桂皮酸誘導体はブラジル産のプロポリスに多く含まれています。
結論-同じミツバチ由来でも大違い
このように、ローヤルゼリーとプロポリスは同じミツバチから作られていても、由来も効能も全くと言っていいほど別物といえます。ミツバチ製品だから似たようなものだと考えず、双方の効能をちゃんと確認したうえで、あなたの体の状態に合わせてどちらを購入するかを決めましょう。