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ローヤルゼリーの成分(フルクトース)

フルクトースと言われてもなじみがない人も多いでしょうが、果糖というと分かる人も多いのではないでしょうか。
果糖は果物に多く含まれている糖質の一種で、ローヤルゼリーに含まれているものは原料のひとつであるハチミツ由来です。
フルクトースの働きや特徴について、簡単に説明していきましょう。

フルクトースはグルコースの「異性体」

フルクトースはグルコース(ブドウ糖)の異性体と呼ばれています。
フルクトースの化学式は「C6H12O6」で、炭素原子と酸素原子が各6個、水素原子が12個からなっており、これはグルコースと全く同じなのです。
ただ、原子の結びついている形が違っているため別の物質になっているというわけで、これを異性体といいます。
どちらも強い甘みを持っており、糖質として扱われているのはこの分子構造が関係しています。
ただ、全く同じ原子からできていても結びつき方が異なっているため、効果にも多少の違いが出てくるのです。

カロリーを抑えられるフルクトース

まず、フルクトースはグルコースやスクロース(グラニュー糖)と比べても強い甘みを持っており、スクロースの1.7倍だとされています。
このため、食品の味付けに使用した場合、グルコースやスクロースよりも使用量を抑えることができます。
しかも、100グラム当たりのカロリーはフルクトースが368キロカロリー、グルコースが335キロカロリー、スクロースが387キロカロリーと大きな差はありません。
つまり、同じ甘さを得るために使用量が少なくてすむフルクトースを味付けに使えば、カロリーを抑えることにつながるのです。
実際、ショートケーキ1個が344キロカロリーなのに対し、みかんは7個食べても322キロカロリーにすぎません。
また、甘みが温度に左右されるところがあり、温度が低いほど甘みを強く感じるという特徴もあります。
冷たいものは甘みを感じにくいため、糖質の過剰摂取につながりやすいとされていますが、フルクトースを使うことでその問題を多少なりとも緩和できるのです。
ソフトドリンクに果糖が配合されているのは、この特性を生かすためです。

血糖値が上がりにくいフルクトース

フルクトースとグルコースは異性体であるうえ、同じ単糖類で分子のサイズがほぼ同じであるため、消化器での吸収率はあまり変わりません。
ただ、フルクトースとグルコースを比較すると、摂取時の血糖値の上昇スピードはグルコースの方が高いのです。
血糖値の上がりやすさを示す数値として、グリセミックインデックス(GI)と呼ばれる指数があります。
グルコースを100とすると、フルクトースは19にすぎません。
それだけ血糖値が上がりにくく、インスリンの分泌量も抑えられるというわけです。
血糖値を必要以上に上げないようにする必要がある糖尿病患者にとっては、この特性はありがたいと言えます。

過剰摂取すれば太る原因となる

ただ、フルクトースがカロリーカットに役立つうえ、血糖値を上げにくいという特徴を持っていても、は糖質の一種であるため過剰摂取は悪影響を与えます。
国立健康・栄養研究所のデータベースによると、フルクトースは「多量摂取により中性脂肪の増加を招く」ことがあると記載されています。
フルクトースによる中性脂肪の増加率は、グルコースやスクロースよりも上だと指摘する医療関係者もいます。
血糖値が上がりにくいからといって、大量摂取すれば肥満につながってしまうという点では同じなのです。
実際、フルクトースのカロリー自体はスクロースと大差ありません。
「糖の中で最も甘みが強い」(同データベースより)ため、使用量を減らせることがカロリー抑制につながっているわけで、スクロースと同じ量を摂取すれば似たような結果になってしまうというわけです。

満腹感が得にくいのもデメリット

また、血糖値が上がりにくいということは、満腹感を得にくいということにもつながります。
満腹中枢は血糖値のアップによって刺激を受けるためで、これは「いくら食べてもお腹がいっぱいになってくれない」ということにつながります。
これは結果として「いくらでも食べられる」ということにつながり、過剰摂取の原因となってしまいます。
血糖値を上げにくいという特徴は、こうしたデメリットにつながりやすいということは、覚えておいた方がいいでしょう。
ちなみに、グルコースの場合は脳を動かすためのエネルギーになりやすいですが、スクロースは脳を動かすエネルギーになりにくいという違いもあります。
このため、スクロースを摂取しても集中力を上げるなど、脳の機能アップにつながりにくいということも覚えておいた方がいいでしょう。

まとめ-ローヤルゼリーぐらいの量なら大丈夫

とはいえ、スクロースが体に悪い影響を与えるのはあくまでも過剰摂取になってしまった場合です。
ローヤルゼリーの場合、含まれている糖質は全体の4割強にすぎず、カロリー自体も高くありません。
ローヤルゼリーがスクロースの過剰摂取につながる可能性は、まずないと考えてよさそうですから、安心して食べて良さそうですね。
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