ローヤルゼリーの成分(グルタミン酸)
グルタミン酸がアミノ酸の一種であることは知らなくても、グルタミン酸という言葉は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。グルタミン酸は人間の体内で生成することができる非必須アミノ酸の一種で、ローヤルゼリーにも含まれています。
知名度の高い成分ではありますが、ここでグルタミン酸の降下について、改めてまとめてみました。
グルタミン酸の発見は古い
なぜグルタミン酸が有名なのかというと「旨味」の成分とされているからです。発見は1866年、ドイツの科学者によるもので、小麦のタンパク質であるグルテンに含まれていたことからこの名前がついたとされています。
このグルタミン酸が旨味の成分であることが判明したのは1908年、東京帝国大の池田菊苗教授の研究によるものです。
その後、グルタミン酸はナトリウムと結合すると水に溶けやすくなることも分かり、現在ではグルタミン酸ナトリウムは化学調味料として広く使われるようになっています。
アミノ酸のなかでもグルタミン酸の知名度が高くなっているのは、化学調味料とかかわりがあるためだと言っていいでしょう。
ただ、悲しいことにグルタミン酸が含まれているローヤルゼリーの味は、お世辞にも旨いとは言えないものです。
グルタミン酸にはどんな働きがあるの?
では、実際にグルタミン酸にはどのような働きがあるのでしょうか。体を作るタンパク質の原料となるアミノ酸の一種ですが、それ以外の働きとしては以下のようなものがあります。
アンモニアの無毒化
激しい運動をするとエネルギー源としてタンパク質が使用されますが、このときにアンモニアが生成されます。腸内の悪玉菌によって生成されたアンモニアが、体内に吸収されることもあります。
いずれにしても、アンモニアは体にとっては有害な成分です。
血中のアンモニア濃度が高くなりすぎると高アンモニア血症を引き起こし、意識混濁や呼吸障害によって命にかかわるケースもあるのです。
このため、人間の体内ではアンモニアを無毒化するためのプロセスがいくつか用意されています。
グルタミン酸はそのプロセスのひとつに必要で、アンモニアと結合することによってグルタミンというアミノ酸になるのです。
グルタミンは体内でタンパク質を作るために必要なアミノ酸のひとつなので、アンモニアの無毒化どころか、体にとって有用な成分の原料になってくれるというわけです。
美肌効果
表皮の機能低下による乾燥は肌荒れにつながり、美肌の敵といっていいでしょう。表皮の機能をアップさせるためには、角質のケラチン繊維を整えることと、NMF(天然保湿成分)の生成量を増やすことが必要になります。
ケラチンとはタンパク質の一種ですが、グルタミン酸はこのケラチン生成のためには欠かせないアミノ酸なのです。
また、NMFの生成のためにもグルタミン酸をはじめとするアミノ酸は欠かせません。
グルタミン酸の摂取量を増やすことは、ケラチンやアミノ酸の生成量を増やすことにつながり、皮膚の保湿力アップによる美肌効果につながることが期待できるのです。
ちなみにケラチンは頭髪の原料にもなっていますので、グルタミン酸の摂取によって生成量を増やすことができれば頭髪の成長力がアップし、薄毛対策になってくれる可能性もあるのです。
脳を活性化する
グルタミン酸は脳内において、興奮系の神経伝達物質として働いてくれます。このため、グルタミン酸の摂取量を増やすことで脳が活性化し、記憶力や学習能力がアップしてくれるとされています。
「グルタミン酸を摂取すると頭が良くなる」というのは昔から言われていますが、こうした効果がベースになっているといえます。
また、アルツハイマー病の患者の場合、グルタミン酸をはじめとする神経伝達物質の濃度が低下しているという特徴があり、グルタミン酸に治療効果があるかもしれないと注目されています。
ただ、摂取量が過剰になると脳細胞の破壊につながってしまう可能性もあり、パーキンソン病の発症にかかわっているという説もありますので、注意が必要です。
血圧降下作用
日本、中国、米国、英国での調査によると、グルタミン酸の摂取量が多い人は最高血圧、最低血圧とも低めになっているといいます。このため、グルタミン酸には血圧降下作用があるとされており、この効果によって脳出血や心臓病による死亡率を下げることができるといわれています。
グルタミン酸は心身を安定させる効果のあるアミノ酸・γ-アミノ酪酸(GABA)の生成に必要で、グルタミン酸の摂取量を増やすことでγ-アミノ酪酸の生成量も増えます。
これが血圧効果作用につながっている可能性があります。
まとめ-知名度の割に効果は知られていない?
グルタミン酸というアミノ酸の名前は知っていても、いざその効果となると「頭が良くなる」など漠然としたものしか知らなかったという人もいるのではないでしょうか。グルタミン酸は上述のように多様な効果を持っており、非必須アミノ酸とはいえ人間の体に欠かすことができない成分だといえます。