ローヤルゼリーの成分(トリプトファン)
アミノ酸にはさまざまな種類がありますが、その中でも人間の体内で生成できない9種類は必須アミノ酸として重視されています。ローヤルゼリーは、この9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいるのがセールスポイントのひとつです。
トリプトファンは必須アミノ酸のひとつですが、体作りに役立つことが多い必須アミノ酸のなかでは、やや毛色が違っています。
メンタル面での効果が目立つトリプトファン
トリプトファンの効果は、メンタル面に影響を与えるものが目立ちます。これは、トリプトファンがさまざまな神経伝達物質の原料となっており、トリプトファンの摂取量増加による神経伝達物質の生成量アップが、メンタル面に影響を与えるためです。
トリプトファンは鬱病対策に役立つ?
トリプトファンの効果としてまず挙げられるのは、鬱病対策です。これは、鬱病の原因のひとつが神経伝達物質の不足であるという点が関係しています。
鬱病患者に不足している神経伝達物質とは?
鬱病患者にみられる特徴のひとつとして、神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの量が減少していることが挙げられます。セロトニンは気持ちを安定させる効果、ノルアドレナリンには精神面に張りを与える効果があることが分かっています。
この2つの不足によって精神面の安定性が失われ、何かを積極的に行おうという張りもなくなり、鬱病につながっているのではないかとされています。
このため、医療現場において、鬱病患者にはセロトニンとノルアドレナリンを増やす薬が投与されています。
トリプトファンは神経伝達物質の原料
この2つの神経伝達物質を増やすために効果的なのが、トリプトファンの摂取です。トリプトファンはセロトニンの原料となっているうえ、ノルアドレナリンの生成にも関係しています。
ローヤルゼリーによってトリプトファンの摂取量を増やせば、セロトニンとノルアドレナリンの生成量増加による鬱病の症状改善につながる可能性があるというわけです。
ちなみに、セロトニンは睡眠にも関係しているため、トリプトファンの摂取によって睡眠の質を高めることも期待できそうです。
集中力・記憶力アップにも役立つ
トリプトファンはセロトニンとノルアドレナリンだけでなく、ドーパミンという神経伝達物質の生成にも関係しています。ドーパミンは学習などに対する意欲を高める働きがあります。
この働きにノルアドレナリンの精神面に張りを与える効果が加われば、集中力や記憶力のアップが見込めます。
トリプトファンの摂取量を増やすことは、ノルアドレナリンとドーパミンの生成量増加につながる可能性があるため、集中力・記憶力アップが期待できるというわけです。
アンチエイジングにも役立つ
トリプトファンの効果は、メンタル面だけにとどまりません。活性酸素の働きを抑え、体の老化を防ぐアンチエイジング効果も期待できるのです。
老化の原因・活性酸素とは
活性酸素は殺菌効果を持っており、体内に入ってきた病原菌を退治してくれるなど、免疫力をアップさせる働きがあります。問題は、活性酸素が増えすぎると病原菌だけでなく、正常な細胞まで傷つけて劣化させてしまうことです。
細胞が傷つけられた組織は劣化し、老化の原因となってしまいます。
また、活性酸素は脂肪を過酸化脂質に変えてしまう働きもあります。
肝臓に過酸化脂質が増えれば組織が破壊されて脂肪肝となり、血管に過酸化脂質が付着すれば内壁に潜り込んで動脈硬化の原因となります。
トリプトファンには抗酸化作用がある
トリプトファンには、この活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があります。活性酸素の働きを抑えることができれば、正常な細胞が傷つけられにくくなり、組織の劣化による老化を抑え、アンチエイジングにつながることが期待できます。
また、過酸化脂質の生成を抑えることができれば、脂肪肝や動脈硬化の予防にもつながってくれそうです。
トリプトファン摂取時の注意点
さまざまな効果を持っているトリプトファンですが、摂取に当たって注意すべき点がひとつあります。それは肝硬変の患者が摂取しすぎた場合、肝性脳症を引き起こすリスクがあることです。
また、セロトニンの過剰生成によって心身状態が悪化する「セロトニン症候群」を引き起こす可能性もあります。
このため、医療現場においては肝硬変患者にアミノ酸輸液を行う場合、一般の患者に投与するものよりもトリプトファンの量を減らすなどの措置を取っています。
まとめ-貴重な成分だが注意も必要
トリプトファンは体内で生成できない必須アミノ酸であるうえ、アミノ酸の中ではメンタル面に影響を与える変わり種でもあるため、貴重な栄養素だといえます。アンチエイジングや生活習慣病の予防にも役立ちそうです。
ただ、体の状態によっては悪影響が出てしまう可能性がある成分でもあるため、その点については注意しておく必要があるといえそうです。