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女王蜂とローヤルゼリー

ローヤルゼリーは女王蜂の幼虫の食べ物ですが、そもそも女王蜂と雄蜂、働き蜂の幼虫にはどのような違いがあるのでしょうか。
また、ミツバチ以外の蜂にも女王蜂は存在していますが、ローヤルゼリーの採取は可能なのでしょうか。
女王蜂とローヤルゼリーとの関係について、まとめてみました。

女王蜂は餌によって作られる

まず、ミツバチの幼虫についての話からしていきましょう。
ミツバチは卵を生む女王蜂、女王蜂の生殖活動に必要な雄蜂、女王蜂や雄蜂の世話をしている働き蜂の3種類があります。
この3つには、どのような違いがあるのでしょうか。

女王蜂と働き蜂の幼虫に違いはない

一般的なミツバチの巣には、数万匹の個体が住んでいるとされています。
このうち、女王蜂はわずか1匹で、雄蜂が1割、残りはすべて働き蜂です。
このうち、雄蜂は染色体の数が半分で、生まれたときから雄蜂として成長するようになっていますので、幼虫も他の蜂とは違っています。
では、同じメスである女王蜂と働き蜂の幼虫にはどのような違いがあるのでしょうか。
結論から言えば、卵から生まれた段階では、両者の差は全くありません。
生まれた時点では、成長して女王蜂になるか、働き蜂になるかは、決まっているわけではないのです。
女王蜂と働き蜂は同じメスでであるにもかかわらず、働き蜂に卵を生むことができないなど、大きな違いがあります。
この違いは、どのようにして生じるのでしょうか。

ローヤルゼリーを食べると女王蜂になる

同じ幼虫であるにもかかわらず、女王蜂と働き蜂という違いが生じるのは「食べてる餌」が原因です。
同じ幼虫でも、ローヤルゼリーを与えられて育つと女王蜂になり、ハチミツや花粉だけで育てられると働き蜂になるのです。
女王蜂はと働き蜂の違いは、雄蜂のように生まれた時点で決まっているものではなく、食べる餌によって後天的に決まるものなのです。
ローヤルゼリーは女王蜂の幼虫の餌というよりも「ミツバチのメスの幼虫に与えられることで女王蜂になる特別な食べ物」という方が正しいというわけです。

女王蜂はどのようにして育てられるの?

ただ、ミツバチの巣にはたくさんの幼虫がいますので、別の幼虫に間違ってローヤルゼリーを与えてしまうようなミスは起きないのでしょうか。
実は将来、女王蜂になるために育てられている幼虫は、巣の中でも離れたエリアに住んでいます。
この巣穴を「王台」といい、ローヤルゼリーはここの中に蓄積されているのです。
王台の中に住んでいる幼虫が与えられたローヤルゼリーを食べて、女王蜂として成長していくというわけです。
逆に王台に住んでいないメスの幼虫にはローヤルゼリーが与えられることはありませんので、働き蜂に育つしかないというわけです。
ちなみに1つの王台から採取できるローヤルゼリーは300ミリグラム前後で、ミツバチにとってもそれだけ貴重な食べ物だというわけです。

他の蜂からもローヤルゼリーの摂取は可能なの?

蜂はミツバチ以外にも、スズメバチやクマバチなどさまざまな種類がいます。
こうした蜂からも、ローヤルゼリーの採取は可能なのでしょうか。

スズメバチは餌が違うので無理

まず、スズメバチについてはローヤルゼリーの採取は不可能です。
これはスズメバチの仲間であるアシナガバチについても同様です。
なぜなら、スズメバチとその仲間は、ミツバチと食べるものが違っているからです。
ミツバチは花の蜜や花粉といった、植物性のものを食べて生活しています。
ローヤルゼリーについても、花粉をベースにして生成されているものです。
これに対して、スズメバチは幼虫に他の昆虫をはじめとする動物性の食べ物を与え、成長は幼虫から分泌される液体を摂取しています。
つまり、スズメバチは花粉を食べることがないため、ローヤルゼリーの作りようがないというわけです。
同じ蜂といっても、ミツバチ科とスズメバチ科では大きく違っているのです。

クマバチは女王蜂が存在しないので無理

スズメバチのように肉食でなく、ミツバチと同様に花の蜜や花粉を食べるクマバチならば、ローヤルゼリーの採取が期待できるのではないかと思う人もいるでしょう。
ところが、クマバチからのローヤルゼリー採取も不可能なのです。
それは、クマバチにはそもそも女王蜂も働き蜂も存在していないからです。
ローヤルゼリーは「女王蜂のための餌」なので、家族単位の小集団で生活し、個体ことの分業が確立していないクマバチには必要がないものなのです。
子供を生むことができない働き蜂もおらず、雄と雌との比率もほぼ五分五分になっています。
クマバチはミツバチ科に属していますが、ミツバチと社会形態が大きく異なるため、餌にも違いが出てきているというわけです。

結論-ローヤルゼリーは貴重な食べ物

このように、ローヤルゼリーは蜂の中でも、ミツバチからしか採取することができないものです。
しかも、上述のように、1つの王台から採取できるローヤルゼリーは300ミリグラムにすぎず、王台の数そのものも少ないのです。
いかに貴重な食べ物なのか、理解できるのではないでしょうか。
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